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免疫ってなんだろう? T


■ 免疫ってなんだろう? T

 

<免疫の仕組み>

私たちの健康生活に重要な役割を果たしている「免疫」についてできるだけ易しく解説いたします


【T】 毎日、外敵と闘っている私たち 

 

■いつ病気になっても不思議ではない・・・

  私たちはいつ何時、病気にかかるかわかりません。今は元気でも、次の瞬間に強いウイルスを吸い込めば、それだけで数時問後には熱を出しているかもしれないのです。今は何の自覚症状がないとしても、数時間後には血管が血栓によって塞がってしまうかもしれませんし、胸が猛然と痛みだし、心臓が止ってしまうかもしれません。そればかりか、明日の健康診断でがんと診断されるかもしれないのです。 
 そう考えると、今は健康でも不安がつきまといます。しかし、たいていの場合には、そう簡単には病気になりません。いったいなぜなのでしょうか。

 

  

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■「免疫力」が正常に働いていれば病気にならない?

 生きる……という作業のなかで、私たちの体は否応なしに危険にさらされています。どんなに注意していても、かぜもひくでしょうし、おなかもこわします。たまには立派な病名がつく病気にかかるかもしれません。しかし、たいていの人はとりあえずであっても「健康である」と自認する程度の健康を維持しています。
 それは、私たちの体のなかには、自然に自分を守る力=免疫力が働いているからです。免疫力とは、疫病(病気)を免じる力のことです。免疫力が正常に働いていれば、たいていの場合、病気にはなりません。そのメカニズムをしっかりと理解すれば、どのように健康を維持していけばよいのか、病気を予防することができるのかがわかります。

 

 


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【U】 自分と自分以外のものを認識する力 

 

■病気には2つのルートがある

 ひと口に病気といっても、大別するとその成り立ちには2つのルートがあります。
 ひとつは、外敵の侵入です。吸い込んだ空気といっしょに鼻から病原菌やウイルスが入り込んできます。食べ物や水を通しても無数の細菌や毒素に汚染されます。
 もうひとつは、ひとつひとつでは健康を害するだけの力はもっていなくても、蓄積されることにより、体内で大きな敵となるものの存在です。たとえ無農薬、無添加の食べ物を選んで食べたとしても、食べ物のなかに含まれる過剰な脂やエネルギー量などによって、徐々に不健康な道をたどることもあり、境界を越えると病気という状態に陥ります。
 体内でつくり出した自己の成分でも不要になったままで溜まれば、敵になります。いったん病気という状態に陥ると、原因が何であろうと、体はそれに反応し、生きて生命を存続するための「免疫力」が働き始めます。

 


■「免疫」は生体を守る力

 免疫という言葉を、ほとんどの方は知っています。でも、その「免疫」の正体を知っている人はどのくらいいるでしょうか。「一回ハシカにかかれば、一生涯かからない……っていうアレでしょ」「ウイルスなどを自然に排除する力のことでしょ」
 それも免疫のひとつです。どちらも「免疫の記憶」に関連しています。免疫には、一回経験すると記憶する能力があります。その記憶力が、病原菌やウイルスといった外敵の侵入時に働いて、即座に対抗する抗体という武器をつくります。
 免疫は病原体にだけ反応するわけではありません。たとえば、臓器移植のときに「強い拒絶反応が起きた」という話はよく聞きます。血液型を間違えて輸血したときにも拒絶反応が起こります。この拒絶反応は免疫の働きです。 
 つまり、免疫とは「自分」の体に、自分のものではない「非自己」が侵入したと認識したときに、それを排除して自分を守ろうとする力のことです。  

 

 

 

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【V】 外敵の侵入を防ぐ免疫最前線  

 ■最初に外敵を排除する最前線のバリア

 外敵の侵入を防ぐ免疫の力は、段階的に働いています。
 最初に働くのは、皮膚、まゆ毛、まつ毛、鼻毛、そして鼻汁、唾液などです。皮膚に細菌が付着しても、汗や皮脂には殺菌作用があり、体内への侵入を許しません。呼吸によって病原菌が侵入してきても、鼻毛のフィルターでひっかけ、鼻粘膜に付着させて鼻汁といっしよに排出します。目に入ろうとする異物は、まゆ毛やまつ毛で防ぎ、防ぎきれなかったものは涙によって排出します。 食べ物や飲み物といっしょに口から入ってきた細菌は唾液の殺菌作用により死滅。たとえ胃まで到達したとしても、たいていは強い酸性をもつ胃酸によって死んでしまいます。

 


■初期防衛系のメカニズム

 しかし、この第一次の免疫関門(バリア)を簡単に突破する細菌がいます。このバリアを突破した病原菌をやっつけるのは、第二段階の防衛システム(バリア)で、マクロファージや好中球、NK細胞などの初期防衛系です。ここまでの段階が自然免疫と呼ばれます。
 たいていの異物はここで死亡。かぜなどの感染では、ちょっと熱が出たり、のどが痛い程度で終わます。
 

 

 


 

【W】 本当の免疫戦闘体制とは  

 ■免疫細胞のエリート、T細胞とB細胞の役割分担

  病原菌が非常に強かったり、第1、第2の防衛力(バリア)が弱かったりすると、ついに免疫の主役が登場します。それが免疫第三の関門(バリア)です。
 マクロファージの出したサイトカインによるアラームによって立ち上がるのは、NK細胞ばかりではありません。リンパ球のなかの本格的な免疫細胞であるT細胞やB細胞も立ち上がります。

 

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■エリートの出番はないほうがいい

 

 健康を守るためには、こうした免疫作用が常に正しく働いていることが大事です。免疫作用が正しく働いていることが大事です。免疫作用が正しく働いていれば、たとえがん細胞であっても増殖させずに殺してしまうことが可能ですし、強い感染力をもつウイルスでも大事に至る前に殺してしまうこともできます。 
ただし、こうした本格的な免疫が動き出し、戦闘体制が整うまでには1週間ほどかかります。その間、懸命に応戦しているのは好中球やマクロファージなどの初期防衛系。また、初期防衛系は、体内で不要になった細胞や代謝物も処理する働きをしています。
 そこで、私たちの健康維持のために何よりも大事なことは、免疫のエリートたちが本格的に動く三関門まで闘いを引き延ばさなよう、初期免疫系の力を強化することです。目標は第一関門で阻止すること。皮膚や粘膜のバリアを通過させなければ、それ以上体のなかに入ることはできません。
もし防御作用が低下しており、突破されたとしても、第二関門でしっかりと駆逐してしまえば、ダメージはほとんどありません。本来の免疫機構が働く前に闘いに勝つのが予防の本来の目的なのです。

 

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【X】 初期防衛の最強の戦線は腸内防衛システム 

 

 ■免疫の最前線にある腸管免疫

 私たちが毎日何気なく吸っている空気にも、食べたり飲んだりする飲食物にも、無数の細菌やウイルスがついており、体内に侵入しています。なかには体にとって本当に有害なものもあります。しかし、それらが入ってきても、かならず病気になるとは限りません。病気になる人とならない人がいます。最悪では命を落とす人さえも出てきます。いったい、この差はどうして起こるのでしょうか。
 実は、それこそが免疫力の差です。そして、その最前線にあるのが腸管免疫です。そのメカニズムを知っておきましょう。

 


 ■腸内細菌の縄張り意識が病原菌を追放

 食べ物といっしょに入ってくる無数の病原菌は、まず唾液に含まれる酵素で分解されます。この唾液のバリアをくぐり抜けて胃に到達したとしても、そこでは組織すらも溶かしてしまうほどの強い酸性をもった胃酸によってほとんどは死滅します。
しかし、なかにはこの胃酸すらも潜り抜ける病原菌もあります。食中毒のサルモネラ菌や病原性大腸菌O−157がそれです。
 そして、それらの病原菌が最終的にたどりつくのは大腸です。腸内環境は病原体にとっては一見、パラダイス。適温だし、水分、栄養もたっぷり。
 しかし、腸内には100種100兆個もの先住の常在菌がいて、よそ者の侵入を非常に嫌い、闘って追い出そうとします。


■腸内を外敵から守る二重構造

 

 よそ者との闘いに常在菌が常に勝利するわけではありません。とはいっても、負けてしまうと腸壁から体内に病原菌を侵入させてしまうことになるため、腸内での闘いを常在菌だけに任せておくわけにはいきません。そこで登場するのが「腸管免疫」です。 
 腸内に侵入してきた病原菌は、腸内細菌の執拗な追撃をかわして腸壁から体内に潜り込もうとします。ほとんどの病気は、実はこのルートで起こります。そこで、なんとしても腸壁からの侵入を水際で止めなければなりません。
 この水際作戦で重要な任務を負っているのが腸管免疫です。
病原菌が腸壁から体内に入ろうとすると、腸管免疫が働き、直前でlgGやlgA抗体がつくられ、病原菌にとりついて活性を奪ってしまいます。そして、死骸は便といっしょに排泄されることになります。
 

 

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【Y】 腸内細菌の反乱、日和見感染を防ごう  

 ■腸内細菌の寝返り

 病原菌が体内に侵入する直前でストップする腸内防御システムの水際作戦は、非常に効率のよい作戦ですが、それも腸内環境が良好な状況にあればこその話です。条件を悪化させるような環境にあれば、どんなに立派な作戦でもすぐに負けてしまいます。
 そればかりか、作戦よりも以前に味方であるはずの腸内細菌のなかに反旗をひるがえす反逆者が現れます。それが腸内細菌のなかの悪玉菌の存在です。
 常在菌のなかには、ビフィズス菌や乳酸悍菌、腸球菌などの善玉菌と、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌があります。悪玉菌は普段は何くわぬ顔で善人を装い、善玉菌の仲間のようにふるまっていますが、宿主である人間の体力が弱ったり、老化したりすると、弱みにつけ込んでこれ幸いと反乱を起こします。こうした日和見的な動きをする悪玉菌を日和見菌といい、それによって起こる感染症を日和見感染といいます。


 ■ほとんどの感染症は日和見感染で起こる

 日和見菌というと、さほど強力な感じはしないかもしれませんが、実は、現代に起こっている病気のほとんどはこの日和見感染によるもの。がんや生活習慣病などによる死因も厳密に調べれば、病気そのもので死亡しているのではなく、日和見感染による感染症によって死亡しているとさえいわれています。
 たとえば、がんによる死亡原因の多くはがんそのものではなく、がんの毒素や抗がん剤、放射線治療などによって免疫力が低下し、日和見菌による感染で肺炎を起こして死亡していると考えられています。
つまり、病気によって体力が低下したり、老化によって細胞の活性が失われたりしたとき、常態では体内にあって無害である細菌でも、生命を奪うほどに重大な感染症を起こす原因菌になったりするのです。ということは、日和見感染を起こさないようにすれば、がんでさえも共存できることにもなるに違いありません。

 

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■免疫力の低下はストレスと食生活が関与

 

 日和見感染を起こさないためには、何よりもまず初期防御系や獲得免疫を含む免疫力を低下させないことです。低下にもっとも関わっているのがストレスと食生活です。
 過度なストレスが生体にかかると、免疫力は徐々に機能を低下させます。
マウスにがんを植えつけて運動抑制のストレスを与えると、明らかにがん細胞が増殖していたいう実験データもあります。
また、強いストレスを受けると、カテコールアミンというホルモンが分泌され、このホルモンが血管を傷つけ、動脈硬化を促進させる要因になります。
 人類史上かつて経験したことがないほどの飽食に恵まれている現代です。世界規模でみても、20世紀末には全飽食人口と全飢餓人口が同率になったという報告があります。しかし、いかに飽食の時代であっても、その内容をみると、決して栄養のバランスがよくなったといえるものではありません。それもまた、免疫力の低下に拍車をかけています。


■老化は日和見感染の最大の敵

 老化は日和見感染を増長させる重大な要因です。その理由は腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスの乱れにあります。体にとって有用なビフィズス菌は、生後間もない赤ちゃんでは腸内細菌の約90%にのぽります。
しかし、その数は20歳を過ぎるころになるとどんどん減り始め、反対に若いころにはまれにしかみることがなかった悪玉菌のウェルシユ菌が増えてきます。このバランスの乱れはそのまま免疫力の低下につながります。
 その状態のときに、たまたま体力が落ちたり、精神的な外圧が加わったりすると、免疫力は減退するばかり。しかも、そこにストレスやアンバランスな食事、不規則な生活時間などが加われば、回復がむずかしくなります。そんなときに日和見感染は起こります。
 ストレスをなくすことはむずかしいにしても、食事のバランスを正し、規則正しい生活をすることは可能。ならばまず、食事を見直すことから始めましょう。


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 以上 出展: 「免疫力パワーアップ 新・免疫ミルク」 株式会社アクア出版社承認した上掲載。

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